「2003年末のIT支出は抑制気味だったが,2004年はすべての垂直市場で,IT予算どおり,もしくはそれ以上の支出が見込める」。米Gartnerは米国時間2月6日,2004年のIT支出に関する調査結果を発表した。

 今回の調査は,中小企業,大企業および民間団体のIT管理者2万5000人を対象に実施したもの。予算額を100として,IT支出の指標を算出した。

 2003年はIT支出が予算を下回る時期が続き,12月のIT支出指標は77だった。「企業は,2003年の最後の四半期でIT予算を使い切ることにためらいをみせ,年末に目立ったIT支出はなかった」(Gartner社シニア・バイス・プレジデント兼ジェネラル・マネージャのDavid Hankin氏)

 ただし,2004年には,あらゆる規模の企業でIT支出が回復する見込みだという。「特に公共部門,技術製造/通信,医療福祉などで大幅な増加が期待できる」(Gartner社アナリスト)

 分野別にみた場合,ソフトウエア分野は現在使用している製品の更新や,個人向けのオフィス・ソフトウエアや情報管理ソフトウエアへの支出が増える。ハードウエア分野は,支出そのものが大幅に増える見込みは少ないものの,価格の低下により販売台数が増加する。

 企業は「ハンドヘルド機やノート・パソコンなど,モバイル機器への支出を増やす予定」としており,デスクトップ・パソコンやストレージ機器への支出は減少傾向にある。

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