米Gartnerと米SoundView Technology Groupは米国時間12月8日,2004年のIT支出に関する調査結果を発表した。それによると,2004年のIT支出は回復基調をたどり,中小企業がけん引役を果たす。しかし,大企業の2004年IT予算は前年並みか,減少する見込みだという。

 調査は,IT幹部600名以上を対象に,10月下旬にアンケートを実施したもの。IT幹部は2004年のIT支出が回復に向かうと確信しており,1年前の調査と比べて,その傾向は一段と強まっている。2004年におけるIT設備投資の予算は前年比1.6%増加する見通しだ。

 SoundView社技術ストラテジストのArnie Berman氏は,「これまでIT支出は『失速モード』だったが,徐々にROIなどを重視した『抑制型の支出』に切り替わり始めている」と述べた。

 2004年のIT支出はセキュリティ,ストレージ,無線LAN,Linux,ビジネス・インテリジェンス・ソフトウエアなどが中心となる。従来のIT支出パターンでみられるように,ハードウエアよりもソフトウエアの優先度が高い。

 「これまで通り,企業で景気回復感が広がるにつれて,IT支出が増える傾向となっている」(Gartner社Market Research and Analytics部門バイスプレジデントのBrian Smith氏)

「2004年のIT支出は前年比4%増にとどまる見込み,景気回復基調ながら企業は慎重」,米調査
「企業のIT予算,CIOは今後12カ月で平均6.4%増やす予定」,米誌の調査
「エネルギー公益事業のIT支出は前年比13%減,ただしセキュリテイ分野などは増加」,米調査
2002年の産業別IT支出,60%の企業・団体が増額予定,エネルギ分野で最も拡大
2003年の世界IT支出は前年比4.9%増の2兆ドル強,あらゆる業界で成長
IT支出の引き締めが続く大企業,2003年のIT支出は0.2%減,回復は2004年から
「アジア太平洋地域のIT支出は2006年に3300億ドルへ,中国とインドがけん引」,米調査
「2003年の世界IT支出は前年比約1%増,緩やかな回復基調に入る」,米IDC

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