米誌「CIO Magazine」は,企業のIT予算に関する調査結果を9月2日に発表した。それによると,企業のCIOは,今後12カ月でIT予算を平均6.4%増やす予定だという。また,過去12カ月のIT経費は平均2.8%増加した。

 調査は,米国企業のCIO(最高情報責任者)2000人以上と,購読者3000人を対象にして,8月7~14日に実施したもの。7月の調査では,今後12カ月のIT予算は平均4.5%増加する予定で,過去12カ月間のIT経費は1.3%増だった。8月の調査では,いずれの数値も上昇している。

 特定の8つのIT分野に限って予算を訊ねたところ,37.9%が「IT予算を増やす予定」と回答し,7月の36.9%と比べてわずかに増加した。一方,「IT予算を減らす予定」と回答したのは13.4%で、7月の18.2%と比べて4.8ポイント減少した。

 8分野のうち,セキュリティ・ソフトウエアへの関心が最も高く,約51%が「予算を増やす予定」と回答した。「予算を減らす予定」はわずか2.5%だった。インフラ向けソフトウエアについては,「予算を増やす予定」が28.6%,「予算を減らす予定」が14.6%だった。ハードウエアについては,45.6%が「予算を増やす予定」,15.5%が「予算を減らす予定」と答えた。

 IT予算増加のタイミングについて,35%が「すでに予算を増やした」あるいは「予算を減らしたことがない」と回答。8.3%は「2003年第3四半期に増加する」,8.7%は「2003年第4四半期に増加する」予定である。

 IT予算にマイナスの影響を与える主な要因については,44.2%が「低利益」,24.8%が「財政難」を挙げている。そのほかにも,「十分なIT設備があるため,予算を減らしている」とした回答者が22.3%にのぼった。

 今後3カ月のIT支出については,「増やす予定なし」が26.2%,「わずかに増やす」が40.3%だった。14.1%が「政治的/経済的リスクが高まっていることから,見通しは暗い」とする一方で,「見通しは明るい」とする回答も18.4%あった。

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