米Forrester Researchは,2004年のIT支出に関する調査結果を米国時間11月12日に発表した。それによると,景気回復基調にもかかわらず,2004年のIT支出は前年比4%増にとどまる見通しという。「IT支出の本格的な回復は2004年後半にずれ込む」(Forrester Research社)

 今回の調査は北米のCIO(最高情報責任者)800人以上を対象に行ったもの。2004年のIT支出は,セキュリティのアップデートや障害復旧システムなどを中心とする,リスク軽減策に重点がおかれるという。さらに,電子商取引などのコンシューマ分野や,耐用年数を経過したサーバー/パソコンの買い替えも,予算の中で大きな割合を占める。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・回答者の32%が「2004年はIT予算を増やす」と回答,「IT予算を減らす」と回答したのは約19%

・コスト節約の主流策となっている,Linux導入やオフショアへのアウトソーシングは,予算割り当ての優先度が低い

・企業は,米企業改革法(Sarbanes-Oxley Act)などに準拠するための技術投資が必要だと考えている

・小売,保険,娯楽,医療などのサービス企業では,平均よりIT支出が増える見込み。逆に,原材料,化学薬品,石油などの製造企業は平均を下回る

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