米大手調査会社の日本法人であるガートナー ジャパンは3月11日、IT投資動向に関する調査結果を発表した。昨年10~11月にかけて世界約2000人以上のCIO(最高情報責任者)を対象に実施し、約1000人からの回答を得た。調査結果によると、「2004年のIT関連の投資額は、平均で1.4%増加する」ことが分かった。

 調査に答えた多くのCIOは、IT投資増加を確実視しているものの、業績が明確に回復するまでは、急増させることは難しいと見ている。そのため、特にIT投資額が増える時期は「2004年下半期」との回答が4割を占めた。

 ガートナーはこの結果を、「CIOはIT投資に慎重であるものの楽観的である」と分析する。さらに「世界的に見て、多くの企業がIT投資の拡大の準備を始めた」としている。

 この調査では、CIOが考えている優先課題も明らかになった。2004年に取り組むべきテーマとしてCIOが重視しているのは、「セキュリティ」管理や「情報システム費用」(新規システム開発費や既存システムの保守・運用費など)の管理、「データ/プライバシーの保護」の徹底である。

戸川 尚樹=日経コンピュータ