米ABI Researchは,ブロードバンド・ゲートウエイ(モデムとルーターで構成される家庭内ネットワーク向け装置)の世界市場に関する調査結果を米国時間3月24日,発表した。ブロードバンド・ゲートウエイの2003年における売上高は約2億9000万ドルで,2008年には約15億3000万ドルに成長する見込みだ。
「ブロードバンド・ゲートウエイはDSLとケーブル・サービスのいずれにも対応しているが,両サービス・プロバイダがとった戦略は,ゲートウエイの販売に大きく影響している」(ABI Research社)
DSLサービス・プロバイダは小売りモデルを取り入れ,顧客宅内機器(CPE:Customer Premise Equipment)の負担と選択を顧客の手に委ねている。DSLサービス・プロバイダのこのような形態は,北米以外の地域(欧州およびアジア)で顕著だ。「DSLサービス・プロバイダがCPEの管理を手放すことは,設置数量が増加するほか,顧客の選択肢が広がるという効果がある」(同社)
一方,ケーブル・サービス・プロバイダの多くは,ゲートウエイを使わずに複数の回線を家庭内に引かせたいと考えている。ケーブル・サービス・プロバイダが小売りモデルを確立できなかったことは,今後の普及率にも影響し,「長期的にみると,ブロードバンドの利用形態は,DSLがケーブルを追い越すことになる」(ABI Researc社)という。
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