米Infonetics Researchは,ブロードバンド接続向けモデム,ルーター,ゲートウエイの世界市場に関する調査結果を英国時間3月16日に発表した。それによると,2003年における同市場の売上高は42億ドルで,出荷台数は4750万台にのぼった。売上高は,2007年までかなりのペースで成長し,出荷台数はそれ以上の速さで増加が見込めるという。

 同社アナリストのRichard Webb氏は,「ブロードバンドの成長は早く,顧客宅内機器(CPE:Customer Premise Equipment)は,基本的な有線機器からセキュリティ機能を搭載した無線機器の方向に移行している」と述べている。

 同氏によれば,安価な統合チップにより,ブロードバンド・ゲートウエイのベンダーは,エンドユーザーにそれほどコスト面で負担をかけることなく既存の製品と新製品にセキュリティ機能を追加できるようになった。そのため,標準的な製品よりもセキュリティ機能を搭載した有線,無線製品が成長をけん引した。

 また,ブロードバンドVPNの導入により,DSLとケーブルを使ってリモート・オフィスと在宅勤務社を企業ネットワークに安全に接続する企業が増加している。そのため,特にセキュリティ機能を搭載したブロードバンド・ゲートウエイ市場は堅実に成長しているという。

 消費者は,ブロードバンド接続を通じて,ビデオ・オンデマンド,オンライン学習,電子商取引,メッセージング・サービス,ブロードキャストTV,ストリーミング・ビデオ,3次元ゲーミングといった新しいサービスを求めている。これらサービスは,ブロードバンド・ゲートウエイによって利用可能になる。インターネット接続のシェアが飽和した後に,これらの新しいアプリケーションが消費者市場の成長維持を支援すると期待される。

 製品市場別にみると,ブロードバンド・ゲートウエイ市場の売上高は,2003年第3四半期から第4四半期にかけて10%成長した。しかし,出荷台数は12%減少している。この先1年にかけて,売上高はほぼ横ばいだが,出荷台数は24%増加が見込まれる。2003年~2007年には,売上高の成長は穏やかだが,出荷台数はほぼ2倍に達すると推測される。

 また,同市場における2003年の売上高の内訳は,標準的なゲートウエイ製品が82%,セキュリティ機能を搭載したゲートウエイ製品が18%だった。この傾向は,同機能の需要が高まるために,それぞれの割合が36%と64%に逆転すると予測される。

 ADSL向けCPEの売上高は,18億ドルで出荷台数は1920万台だった。ケーブルCPEの売上高は9億5680万ドルで出荷台数は1190万台に達した。

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