米Jupiter Media Metrixが米国時間10月17日に,「米国世帯の広帯域接続利用率は,2000年の9%が2006年には41%に拡大する」との予測を発表した。

 広帯域接続を利用する世帯数は,520万世帯から3510万世帯に増える。「大手広帯域接続サービス・プロバイダの倒産やインターネット人口の成長鈍化などといったマイナス要因もあるが,米国の広帯域接続市場は今後も持続的に成長し,まもなくマス・マーケットの規模に拡大する」(Jupiter社シニア・アナリストのJoe Laszlo氏)。

 広帯域ユーザーは,ダイヤルアップ・ユーザーに比べ,インターネットを積極的に活用しており,特にエンターテインメントや金融の分野で顕著である。

 音楽ファイルのダウンロードの利用は,ダイヤルアップ・ユーザーの26%に対し,広帯域ユーザーは46%,音楽を聞くことはダイヤルアップ・ユーザーの30%に対し,広帯域ユーザーは48%,ビデオの利用はダイヤルアップ・ユーザーが18%,広帯域ユーザーが36%といずれのサービスでも広帯域ユーザーの利用が大きく上回っている。

 同様にパーソナル・バンキングの利用でも,ダイヤルアップ・ユーザーは30%,広帯域ユーザーは48%,株取引はダイヤルアップ・ユーザーが23%,広帯域ユーザーが35%という結果だった。

 ただし,電子メールや情報収集などといった一般的なカテゴリでは,ダイヤルアップ・ユーザーと広帯域ユーザーにほとんど差はみられなかった。

 広帯域接続ユーザーの割合(BUC:Broadband User Concentration)が多いWWWサイトは,米Time WarnerのRoad Runner Broadband ISP(52% BUC),米Citibank.com(38% BUC),米GamingClub.com(36% BUC)。 大手銀行の米Wellsfargo.comや米Chase.comでもBUCが高く,25%を超えている。「金融機関は広帯域ユーザー向けのツールの提供を検討すべき」(Jupiter社)。

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