米Infonetics Researchが米国時間3月4日に,VPNおよびファイアウオールの世界市場(ハードウエア/ソフトウエア)に関する調査結果を発表した。それによると,2003年における市場全体の売上高は24億ドルに達し,前年に比べ13%増えたという。ベンダー別では,米Cisco Systemsの売上高が最も多く,イスラエルのCheck Point Software Technologiesと米NetScreen Technologiesがそれに続く。

 VPN/ファイアウオール・ハードウエアの売上高は19億ドルで,前年比16%増。Infonetics社は「2004年に増加のペースが速まる」と予測する。2003年第4四半期は,1500ドル~2万9999ドルという価格帯の製品が全売上高の57%を占め,この傾向は2007年まで続くという。一方VPN/ファイアウオール・ソフトウエアの売上高は,前年より6%少なくなった。「ソフトウエア市場は,ゆっくりとした縮小過程に入った」(同社)

 2003年の同市場について,Infonetics社主任アナリストのJeff Wilson氏は「大々的な技術変化と厳しい経済状況にもかかわらず,セキュリティ需要の継続,SSL VPNの登場,不況下におけるVPNの経費削減メリットの影響で拡大できた」と述べる。「アプライアンス市場の安定成長は,少なくとも2006年まで続くだろう。新たなベンダーの参入,数々の技術革新や価格低下の圧力といった要因により,目が離せない市場になる。米Juniper NetworksによるNetScreen社の買収により,2004年はCisco社とJuniper社の争いが激化する」(同氏)

 そのほかの主な調査結果は以下の通り。

・アプリケーション・セキュリティ・ゲートウエイ市場が活発で,2004年第4四半期に2200万ドル規模になる

・売上高の第2グループには,フィンランドのNokia(提携関係にあるCheck Point社を含む),カナダのNortel Networks,米SonicWALL,米Symantec,米WatchGuardが並んでいる

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