米SanDiskは,記憶容量1GバイトのSDカードの出荷を開始すると米国時間1月27日に発表した。同容量のSDカードは「世界初の製品」(SanDisk社)という。なお同製品は,シャープの積層パッケージング技術を使って生産する。フラッシュ・メモリーを重ねて封止することで,カードのサイズを変えずに記憶容量を2倍に増やすことができた。

 SDカードは各種フラッシュ・メモリー・カードのなかで最もサイズが小さく,厚さは2.1mm,大きさは郵便切手と同程度。SanDisk社はシャープの集積回路グループと共同でNAND MLCダイを内部パッケージ内で積層する手法を考案し,カード全体のサイズを増やさず記憶容量を高めることに成功した。シャープの3次元System-in-Package(3D-SiP)処理では,2つのパッケージを現在の単一パッケージと同じ高さで垂直に積み重ねられる。

 「この製造プロセスは,CompactFlashやMemory Stickなどほかの形式のカードにも適用できるので,将来フラッシュ・メモリーの大容量化が必要な製品で利用する」(SanDisk社技術担当上級副社長のYoram Cedar氏)

 同SDカードの希望小売価格は499.99ドル。

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