「SDカードの市場シェアがCompactFlashを抜き,米国市場で優勢となった」。松下電器産業が,米NPD Groupの調査結果を引用するかたちで米国時間12月18日に発表した。

 2003年10月のフラッシュ・メモリー市場で,SDカードがシェア30%を獲得し,首位に立ったという。2位はCompactFlashでシェア28.8%,3位はメモリー・スティックで22%だった。

 「このデータは,SDカードがフラッシュ・メモリー市場で標準となりつつあることを示している。当社は,優れたデータ転送速度と強固な技術を備え,標準規格を採用したSDカードの成功を当初から確信していた。デジタル・カメラ,カムコーダ,デジタル・プレーヤやノート・パソコンなど,当社の多数の製品にSDカードのスロットを組み込んだのは,SDカードが主流となることを見越していたからに他ならない」(松下米国法人Panasonic Consumer Electronics社副社長のJohn Iacoviello氏)

 松下によると,現在,世界で134社がSDカードを採用しており,SDカード対応製品数は1524種にのぼるという。またSDカードの業界団体,SD Card Association(SDA)に属する650社もSDカードをサポートしている。

 また松下は,他の調査会社の報告も引用し,「SDカードが主流となることを,複数の調査会社が予測している」と述べた。各調査の主な内容は次の通り。

・米IDC(2003年7月):SDカードの市場シェアが,2005年には50%,2007年には56.6%に達すると予測。「新しい『miniSD』をはじめ,SDカードがフラッシュ・メモリーの標準となるだろう」(IDC)

・米Gartner(2003年8月):SDカードはすでに,デジタル・カメラ市場で足場を固めており,今後はハンドヘルド・コンピュータ市場で普及する見込み。「SDカードの強味は,サイズ,性能,セキュリティ面で,さまざまな用途に対応できる点」(Gartner社)

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