米Semico ResearchとカナダのSemiconductor Insightsが,フラッシュ・メモリー市場に関する調査結果を米国時間6月4日に発表した。それによると,NOR型フラッシュ・メモリー市場において米Intelの勢力は衰えることなく今後も続くという。

 その理由として両社は,(1)Intel社の多値セル(MLC)技術,(2)成長の続く携帯電話機市場におけるOEM各社との密接な関係,(3)同社のフラッシュ技術に関する知的財産が有利に働くと説明する。「Intel社のMLC技術『StrataFlash』が従来のNOR型フラッシュ・メモリー素子に取って代わる状況が続き,アーキテクチャとしてMLCを選択できる状態になった」(両社)

 「Intel社が採ってきた戦略は,マイクロプロセサ市場で競争を少なくした。同社は同じことをフラッシュ・メモリー市場でも実行しており,フラッシュ・メモリー生産技術の先進性を維持するために,競合他社の2倍に当たる資産をつぎ込んでいる」(Semiconductor Insights社のDevashish Paul氏)

 Semico Research社のJim Handy氏によると,同市場ではNOR型の売上高が71%を占めているという。「しかし今後はやや低下し,2007年には63%をわずかに上回る程度になる。ただしその時点で,市場規模は2002年に比べ50億ドル以上拡大し290億ドルを超えるだろう。これはIntel社やそのほかのメーカーにとって大きなチャンスだ」(同氏)

 なお両社は,「Intel社は技術面と生産能力で優れているが,今後も革新を継続させる必要がある」と指摘する。「米AMDと富士通などのライバル企業が多ビット・セル(MBC)構造を推進しており,StrataFlashに対抗する製品を開発する可能性がある」(両社)

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