「各種フラッシュ・メモリー・カード規格の中で,SDカードが市場シェアを伸ばしている」。SDカードの業界団体SD Card Association(SDA)が米国時間10月9日に,複数の調査会社の報告を引用する形で発表した。「SDカードは登場からわずか3年でフラッシュ・メモリー業界を席巻し,業界標準への道を進んでいる」(SDA代表のRay Creech氏)

 各社の報告内容は以下の通り。

・米IDC:
 2003年の全世界フラッシュ・メモリー・カード市場におけるSDカードのシェアは,32.6%と予測する。「これが2005年には50.0%に,2007年には56.6%に増え,市場標準になるだろう」(IDC)。なおSDカードにはminiSDも含まれる。

・米Gartner:
 Gartner社は「SDカードはサイズ,性能,セキュリティの面であらゆる用途の要求を満たしている」と指摘する。「携帯電話機用として当年初めにリリースされたminiSDも,同規格の成長に一役買う。SDカードは世界中で主流フォーマットになる」(同社)

・米NPD Group:
 2003年前半の米国市場におけるSDカードのシェアは26.5%。前年同期間に比べ,売上枚数は8倍に増加したという。

 SDAによると,2003年9月時点のSDカード対応製品の数は1300種類以上という。「しかも,松下電器産業,米Palm,ミノルタ(現コニカミノルタ),米Hewlett-Packardといった世界でも名の通った120ブランドが採用している」(SDA)

 SDA米国マーケティング委員会委員長のJohn P. Burnham氏は,「携帯電話機やデジタル・カメラ,デジタル・ビデオなど個人向け電子機器において,携帯性とデータ・ストレージに対する需要が高まっている。そのためSDカードは,フラッシュ・メモリー規格の主流という地位をさらに確固たるものにするはずだ」と述べた。

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