米Adobe Systemsが,カナダのXML関連ソフトウエア会社,Yellow Dragon Softwareの技術資産を買収した。Adobe社が米国時間11月10日に発表したもの。ただし,買収金額など詳しい取引条件については明らかにしていない。
Yellow Dragon社は,カナダのブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーに本社を置く企業。eビジネス向け標準仕様であるebXMLに対応するソリューションと,サーバー間でXMLメッセージを交換するためのソフトウエア製品を手がける。さらに,World Wide Web Consortium(W3C),Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)などで行われる標準化活動にも参加している。
この買収により,XML対応の企業市場向けプラットフォーム「Adobe Intelligent Document Platform」と文書フォーマットPDFで,ebXML処理が行えるようになる。その結果PDFなどを利用する企業では,外部との商取引の自動化を迅速かつ容易に実現し,オープンな標準技術を使った投資を無駄にしないで済むという。
Adobe社では,Yellow Dragon社のXML技術を組み込んだサーバー製品を,2004年にリリースする計画を立てている。
Adobe社上級副社長のIvan Koon氏は,「Yellow Dragon社のXML技術を導入することで,政府組織や企業の必要とするXML機能を今後数年にわたって提供できる」と述べる。さらに同氏は,「XML標準やebXML仕様の策定に関わる経験豊富な技術者への支援を強化する」とする方針についても明らかにした。
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