米Adobe Systemsが米国時間7月15日に,PDFおよびXML Data Package(XDP)形式の電子フォームを作成するための新たなソフトウエアについて明らかにした。同ソフトウエアの名称は未定だが,Adobe社では,「PDFやXDP形式の高機能な電子フォームを簡単に設計/配布できるようになる」と説明する。

 同社のXMLアーキテクチャをベースとしており,エンド・ツー・エンドの文書処理が可能という。「正確さを求められるフォームの設計に必要なあらゆる機能を備えている。たとえば業務ロジックを定義できるほか,既存またはユーザー定義のXMLスキーマを容易に取り込める」(同社)

 作成したフォームはPDF形式で配布し,そのままPDFとして処理できるだけでなく,XDP形式で配布してXMLとして処理することも可能となる。XDP形式ファイルの実体はXMLファイルで,XMLフォーム・データやXMLフォーム・テンプレート,PDF文書,その他のXML情報を入れることができる。こうしたXML形式の情報は,一般的なXMLツールやWebサービスを使うと,簡単に企業アプリケーションに組み込めるという。

 Adobe社ePaper事業部門担当上級副社長のIvan Koon氏は,「これまで組織では,データと文書を業務プロセスに統合し,情報の流れを効果的/効率的に管理しようと苦労してきた」と述べる。「当社の新しいフォーム作成ソフトウエアを使えば,高機能で洗練されたフォームを作る能力と柔軟性を手にし,そのフォームに企業システムで使う重要な業務情報を入れることができる。さらにその情報は,ファイアウオール内外の業務プロセスで確実に共有/再利用可能となる」(同氏)

 同ソフトウエアは,2003年第4四半期中にベータ版を提供する予定。

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