米Adobe Systemsは,「Acrobat 6.0」製品ラインのアップグレードと拡張を米国時間4月7日に発表した。新しい製品ファミリにより,パワー・ユーザー,ワークグループ,企業は効率良くPDFファイルの作成,共有,閲覧,アーカイブが可能になる。同社の「Adobe Reader」,PDFの利点をもとに構築された同製品は,データ交換にXMLを使う。

 同日発表された新しいAcrobat 6.0ファミリは,「Acrobat 6.0 Professional」,「同Standard」,「Acrobat Elements」。顧客のニーズに合わせて,異なるレベルの機能を提供する。Professional版は企業,エンジニアリングの専門家によるドキュメントの交換,閲覧,アーカイブのプロセスを改善するもの。PDFファイルの作成後に,迅速にファイル品質の評価を実行する。Standard版は,直感的なツールと新しいタスクをベースにしたインタフェースを使って,ワークグループによるドキュメントの閲覧を簡略にする。Acrobat Elementsは,企業向けの大量ライセンスのみが対象。企業のすべてのデスクトップ上にAdobe PDF作成機能をもたらす。

 また,同日「Adobe Reader 6.0」のアップグレード,名前の変更を発表している。新しい名前は「Adobe Reader」。多数のデスクトップ,モバイル・デバイス・プラットフォームに対応し,ビジネス・ドキュメントからPhotoshop Albumスライド・ショウ,eブック,組み込み型マルチメディアに至るAdobe PDFコンテンツの閲覧,印刷などを行うためのアプリケーション。同年5月末日までに無償ダウンロードによる配布が開始される予定。

 Acrobat 6.0 ProfessionalとAcrobat 6.0 Standardは,Windows 98 Second Edition(Acrobat 6.0 Standardのみ),Windows NT Workstation 4.0(サービス・パック6),Windows 2000 Professional(サービス・パック2),Windows XP Home,Professional,Tablet PC Editions,Mac OS X v10.2.2に対応するバージョンが用意されている。英語版は,同年5月末に出荷が予定されている。

 Acrobat 6.0 Professionalの推定小売価格は449ドル。旧バージョン「同4.0」と「同5.0」からのアップグレードは149ドル。Acrobat 6.0 Standardの推定小売価格は299ドル。「同4.0」と「同5.0」からのアップグレードは99ドル。同社のライセンシング・プログラムからの製品入手も可能。

 Windows 98 Second Edition,Windows Me,Windows NT 4.0(サービス・パック6), Windows 2000,Windows XP向け「Acrobat Elements」は,英語,仏語,独語,日本語版が用意されている。同社のライセンシング・プログラムを通じてのみ入手可能。1000シート・ライセンスで1シートにつき28ドルから。

 ちなみに,同社とACCESS社は,PDFを消費者家電とモバイル・プラットフォーム上で利用できるようにすることで提携することを発表している。契約により,ACCESS社は,Adobe Readerを同社の「NetFront Web」ブラウザに統合する。これによりPDA,携帯電話,ゲーム・コンソールなどのデバイス上でPDFの閲覧が可能になるという。

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