米IBMと米Adobe Systemsが米国時間10月20日に,企業向けドキュメント管理に関する提携を発表した。高度なデジタル・プロセスを使って,データの取得,ドキュメントの作成と企業内での配布を支援する。

 両社は,販売,マーケティング,開発で協力体制を敷き,Adobe社のドキュメント・サービスとIBM社製ソフトウエアを組み合わせる。両社の技術を組み合わせたソリューションにより,企業は,大量のドキュメントを扱うプロセスを新たなコンピューティング環境に統合することができる。

 第1段階として,IBM社のミドルウエア「DB2 Content Manager」とAdobe社の電子フォーム・ソフトウエア「Adobe Form Server」「Adobe Form Designer」「Adobe Reader」を連携させ,DB2 Content Manager環境で書式用紙の作成,管理,処理を可能にする。これにより,従来紙媒体で行っていた処理をWWWベースで自動化できるようになる。

 例えば,住宅ローンを申請する場合,情報を収集することから,書類の複製や送付と,手作業で処理しなければならないことが多かった。「DB2 Content ManagerとAdobe Readerを組み合わせ,PDF形式を用いることで,ワーク・フロー全体をデジタル化し,別々の申請書の内容を単一のフォーマットにまとめることができる」(両社)

 DB2 Content Managerのほか,「DB2 CommonStore for SAP」もAdobe社の技術と統合する。「WebSphere」「Tivoli」製品についても,いずれ統合する計画である。

 IBM社Software部門グループ・エグゼクティブ兼上級バイス・プレジデントのSteve Mills氏は「ドキュメントをデジタル化し,集中的に管理および保存できるかどうかが,社員,顧客,パートナ企業への迅速で効率的な対応を左右する」と説明した。

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