米Motorolaは米国時間7月15日に,2003年第2四半期の決算を発表した。売上高は62億ドルで,前年同期の69億ドルに比べ10%減となった。GAAP(会計原則)ベースの純利益は1億1900万ドル(1株当り純利益は5セント)。前年同期は23億ドルの純損失(1株当り純損失は1ドル2セント)を計上していた。

 一時的な費用を除いた場合,純利益は1900万ドル(1株当り純利益は1セント)となる。前年同期の同条件の純利益は3900万ドル(1株当り純利益は2セント)だった。

 Motorola社社長兼COOのMike Zafirovski氏は,「中国での携帯電話市場の競争が激化したことに加え,SARS(重症急性呼吸器症候群)の発症が個人向け通信部門と半導体製品部門の両方に悪影響をもたらした。しかし当社は,多数の新製品投入や,研究開発費用の増資といった対策により,重要な中国市場でのシェアを維持している」と述べた。

 事業部門別の売上高と主な状況は以下の通り。

・個人向け通信部門:
 売上高は23億ドルで前年同期比13%減。注文高は23億ドルで前年同期に比べ13%減少した。

・半導体製品部門:
 売上高は11億ドルで前年同期比11%減。注文高は10億ドルで前年同期に比べ23%減少した。

・グローバル電気通信ソリューション部門:
 売上高は10億ドルで前年同期比17%減。注文高は9億3000万ドルで前年同期に比べ15%減少した。2002年に比べ,全世界でワイヤレス事業者のインフラ投資が減少していることが要因とみる。

・商業,政府,工業向けソリューション部門:
 売上高は9億9600万ドルで前年同期比12%増。注文高は9億8500万ドルで前年同期比16%の増加。米国のセキュリティ強化の取り組みが売上高と注文高の増加につながった。

・統合電子システム部門:
 売上高は5億1600万ドルで前年同期比9%減。注文高は5億1400万ドルで前年同期比9%減。

・ブロードバンド通信部門:
 売上高は4億900万ドルで前年同期比26%減。注文高は4億6000万ドルで前年同期に比べ10%増加した。売上高の減少は,ケーブル・サービス・プロバイダによる資本支出の低下が要因。

 また,Motorola社会長兼CEOのChristopher B. Galvin氏は,第3四半期の見通しを明らかにした。売上高は63億~65億ドルの範囲となる見込み。GAAPベースの1株当たり純利益は0~2セントで,一時的な費用を除いた場合の1株当たり純利益は2~4セントとの予測である。

◎関連記事
米モトローラの2002年Q2決算「GAAPベースでは23億ドルの赤字だが,黒字体質に戻った」
米Motorola,2003年Q2の業績予測を下方修正,アジア地域でSARSなどの影響を受ける
米モトローラがさらに約7000人の人員削減計画を明らかに,2002年Q2決算見通しは「事前の予測通り」
米Motorola,中国チャイナ・ユニコムのCDMA2000 1xネットワーク拡張で契約獲得
米モトローラが2002年Q4と通期の決算を発表,Q4は前年同期比3%増収で黒字回復
ノキアが2002年Q4業績の中間修正を発表,売上高を下方修正,EPSは従来予測通り
「米国の消費者がもっとも依存する個人向け技術デバイスは,携帯電話でなく家庭向けパソコン」,米Voca Groupが発表
2003年Q1の世界携帯電話販売台数は前年同期比18%増,「2003年通期は2けたの伸び率を期待」

[発表資料へ]