米Motorolaが米国時間1月21日に,2002年第4四半期と2002年通期の決算を発表した。2002年第4四半期におけるGAAP(会計原則)ベースの売上高は75億ドルで,前年同期の73億ドルと比べ3%の増収となった。GAAPベースの純利益は1億7400万ドル(1株当たり利益8セント)。前年同期の純損失12億ドル(1株当たり損失55セント)から黒字転換を果たした。

 一時的な費用を除いた純利益は2億9900万ドルで,1株当り利益は13セント。前年同期の純損失は9000万ドルで,1株当り損失は4セントだった。

 税引き前費用は2億300万ドル。Motorola社は2002年7月に,特別費用として約2億ドルを計上する見通しを発表していた。なお,前年同期における税引き前費用は17億ドルだった。

 「当期は,営業キャッシュ・フローとして約5億ドルを生みだした。これで8期連続してキャッシュ・フローがプラスとなった。また,IT業界で厳しい状況が続いているにも関わらず,売上高や収益性を向上できたのは,過去数年にわたる取り組みの成果に他ならない。前期に続き,当社の6部門すべてが,一時的な費用を除いた営業損益で黒字となった」(Motorola社社長兼CEOのMike Zafirovski氏)

 主な部門をみると,個人向け通信部門の売上高が33億ドルで,前年同期比11%増。注文額は前年同期比3%減の21億ドルとなった。携帯電話機の出荷台数は前年同期比27%増の2200万台に達した。半導体製品部門の売上高は13億ドルで,前年同期比15%増。注文額は12億ドルで18%成長した。広帯域通信部門の売上高は4億8900万ドルで,前年同期比16%減少。注文額は33%減の3億5300万ドル。

 2002年通期の売上高は267億ドルで,前年の299億ドルから減少した。GAAPベースの純損失は25億ドル(1株当たり損失1ドル9セント)で,前年の39億ドル(1株当り損失1ドル78セント)から改善した。一時的な費用を除いた純利益は3億1400万ドル(1株当り利益14セント)。前年の一時的な費用を除いた純損失は6億9700万ドル(1株当り損失31セント)だった。

 なお,今後の見通しについて,Motorola社会長兼CEOのChristopher B. Galvin氏は次にように述べている。「第1四半期の売上高は60億から62億ドル,そして1株当たり利益は収支トントンから2セントの範囲になるだろう。通期の売上高は275億ドル,1株当たり利益40セントを見込んでいる。2003年は当社の再起に向けて,さらに一歩前進することを目指している」

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