「2001年の世界携帯電話機市場は,電気通信業界の低迷の影響を色濃く受け,過去最悪の状況となった。しかし回復の兆しがみえており,2002年の出荷台数は前年比1.8%増の3億9100万台の見込み」。米IDCは米国時間12月9日に,世界携帯電話機市場について調査した結果を発表した。それによると,携帯電話機の出荷台数は年平均9.5%で増加し,2006年には6億600万台に達する見通しだという。

 IDC,Smart Handheld Devicesプログラム担当マネージャのKevin Burden氏は,「無線技術による革命が,間もなく起ころうとしている。無線技術が大衆に普及すれば,WWWが最初に普及したときのようなパラダイム・シフトが生じるはずだ。しかし無線技術が浸透するまで,携帯電話機ベンダーは新しい機能の研究開発を行い,ユーザー1人当たりの平均売り上げ(ARPU)を伸ばす努力が必要だ」と述べた。

 新興市場では新規購入によるゆるやかな伸びが見込まれるが,市場全体の成長には買い替え需要の盛り上がりが重要となる。また,市場が一気に拡大するには,時機を得た次世代ネットワークの導入と,魅力的なコンテンツおよびアプリケーションの提供が不可欠である。

 その他の主な調査結果は次の通り。

・2001年の世界携携帯電話機市場は前年比4%減と,史上最悪の結果となった

・2001年の世界携帯電話機市場は,トップ5ベンダーが市場シェアの71.9%を占めた

・携帯電話機の生産をアウトソーシングする傾向は今後ますます強まる

・アナログ携帯電話機市場は2003年までに衰退する

・第2.5世代(2.5G)対応携帯電話機の出荷台数は,2005年までに第2世代(2G)対応携帯電話機のそれを上回る

・統合型デバイス(PDA/携帯電話機)の出荷台数は,2006年までに約6300万台に達する

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