米Motorolaは2002年第2四半期決算について「事前の予測通り」との見込みを米国時間6月27日,明らかにした。同社は6月12日に,2002年第2四半期決算の売上高が64億ドルに達するか,わずかに上まわる見通しと発表している。1株当たり損失は4セント程度との予測である。

 Motorola社は2002年第3四半期と第4四半期,そして2002年通年は一時的な費用を除いた収支が黒字に回復すると見込んでいる。2002年通年の1株当たり利益を4セント以上,ただし売上高は前年比5%~10%減とみている。

 また,同社はさらに約7000人の従業員を削減するリストラ計画を明らかにした。世界各地のすべての部門が対象となる。この計画により製造,研究開発,販売,管理費用の低減を図るとしている。

 「2000年第3四半期から2001年末までを通して,Motorola社は早い時期から20%のコスト削減に取り組んでいた。そして今年,さらなるコスト削減を進める。辛い決断だが,Motorola社の競争力を高めるためだ。Motorola社は,企業の強化と株主への価値向上という目的に向かって前進する」(Motorola社のEd Breen社長兼COO)

 今回のリストラ計画により,2002年の残りの期間で1億ドルの経費節約(税引き前)を図るという。また,1年当たり7億ドルの経費節約(同)を見込んでいる。

 なお,一時的な費用は総額約35億ドルにのぼる見通しだ。内訳は,上記のリストラ費用約19億ドル,投資や資産に対する市場評価の低下による11億ドル,長期売掛金の消却による5億3000万ドルである。約35億ドルのうち,90%以上を2002年第2四半期の決算に計上する予定。

 正式な2002年第2四半期の決算報告は,7月16日に発表する。

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