米Gartnerが米国時間6月2日に,2003年第1四半期の世界携帯電話市場に関する調査結果を発表した。それによると,携帯電話の世界販売台数は前年同期比18%増の1億1270万台に達し,事前の予測を上回った。

 「携帯電話業界は,大規模な買い換え需要の波に乗ることができた。第1四半期はあらゆる地域で需要が著しく高まり,2003年通期の伸び率が2けたに達する勢いだ」(Gartner社モバイル通信部門世界調査グループ上級アナリストのBryan Prohm氏)

 メーカーの首位は,フィンランドのNokiaが維持した。販売台数ベースの市場シェアは35%で,2位につけた米Motorolaの2倍である。

■2003年第1四半期における世界携帯電話販売台数の速報値(単位:1000台)

                 2003年Q1    2003年Q1   2002年Q1    2002年Q1
                 販売台数   市場シェア  販売台数   市場シェア   増加率
メーカー                      (%)                 (%)     (%)
----------------------------------------------------------------------
Nokia            39,479.2       35.0    32,649.0        34.2     20.9
Motorola         16,561.1       14.7    16,804.3        17.6     -1.4
Samsung          11,878.9       10.5     8,890.4         9.3     33.6
Siemens           8,584.6        7.6     8,121.4         8.5      5.7
Sony Ericsson     5,384.8        4.8     6,000.8         6.3    -10.3
その他           30,785.5       27.3    22,867.2        24.0     34.6
合計            112,674.1      100.0    95,333.1       100.0     18.2
----------------------------------------------------------------------

注記:数字には,iDEN規格の製品を含むが,WLL,ODM,OEM製品は含まない。

出典:Gartner Dataquest社

 年内の今後の予測としては,「Motorola社と韓国のSamsungが2位を,Sony Ericsson社と韓国のLG Electronicsは5位をめぐってし烈な競争を繰り広げる」(Gartner社)。韓国の両メーカーはCDMA分野で足場を固めており,GSM分野でも世界市場に乗り出している。

 「2003年は『機種の多様化』の年になるだろう。各メーカーが,ゲーム,音楽,ビデオなどの新機能を備えたさまざまな新モデルを発表する。しかし,世界市場の大半の販売台数を占めるのは,機能が少ない機種である」(Gartner社欧州事業モバイル通信部門世界調査グループ主席アナリストのBen Wood氏)

◎関連記事
「2003年Q1の世界携帯電話出荷台数は前期比16.6%増,スマートフォン普及に加速」,米IDC
「2002年のモバイル・インフラ市場は前年比16%減少,回復は2004年以降」,米調査会社
「2002年の携帯電話機出荷台数は前年比1.8%増,“史上最悪”の2001年を経て復調へ」,と米IDC
「2002年Q3の世界携帯電話機販売台数,予測を上回る前年同期比7.8%増」,米データクエスト
「米国の消費者がもっとも依存する個人向け技術デバイスは,携帯電話でなく家庭向けパソコン」,米Voca Groupが発表
「2003年に携帯電話加入者は増えるが3Gは期待外れ」,米社が世界無線通信業界の状況を予測
「2006年のイメージング機能付き携帯機器の出荷台数は世界で1億5100万台に達する」,米IDCの調査
「3Gの展開は予想よりも速く進む」,世界の携帯電話向けインフラに関して米調査会社が発表

[発表資料へ]