CATV事業者が共同で設立しているコンソーシアム,米Cable Television Laboratories(CableLabs)は,ケーブル・テレビ(CATV)用ネットワーク上でIPベースのブロードバンド・サービスを実現するための仕様「PacketCable Multimedia Specification」と技術報告書(Technical Report)を発行した。CableLabsが米国時間6月27日に明らかにしたもの。

 同仕様に従うと,CATV用IPネットワーク上でインタラクティブ・ゲームやストリーミング・メディアなど,凝ったグラフィックスを使うさまざまなサービスを提供できるという。「CATVネットワーク用プロトコルのDOCSIS 1.1上でPacketCable対応システムを動作させると,帯域幅予約や帯域保証(QoS)機能の利用が可能となる」(CableLabs)

 同仕様について,米Comcastの戦略計画担当上級副社長のMark Coblitz氏は,以下のようなコメントを出している。「同仕様はCATVネットワーク上でマルチメディア・サービスを配信するためのもので,消費者に特色あるアプリケーションや機能を提供しようと努力している当業界において大きな進歩といえる。これにより我々は,音声通信にとどまらず,多様なIPベースのサービスを扱える位置につけた」

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