米In-Stat/MDRが米国時間1月6日,「ビデオ・オンデマンド(VOD)サービスがこの1年間に,北米の都市部で普及しつつある」,などとする調査結果を発表した。

 VODサービスの普及は過去10年間に幾度となく予測されていたが,ここにきてケーブル・テレビ(CATV)事業者がようやく本格的に動き出したという。

 ただし短期的にみた場合,飛躍的な成長率は期待できないという。VODサービスの提供は,今後数年間,主に北米地域に限定されてしまうためである。

 In-Stat/MDR社上級アナリストのMike Paxton氏は次のように説明する。「アジアや欧州にサービスが普及するまでのあいだ,ユーザーは緩やかにしか増加しない。全世界には現在,CATVの加入者が3億人以上いるが,そのうちすぐにVODサービスを利用できるのはごく一部に過ぎないからだ」(同氏)

 この他の主な調査・分析結果は次の通り。

・CATV事業者は,ムービー・オンデマンドとVODの両方をパッケージ化し,それをさまざまな料金体系で提供しようというマーケティング戦略を模索している

・米国のCATV加入者のうち,VODサービスを利用できる加入者の約3分の1が,VODを定期的に利用している

・VODの1ストリーム当たり単価(VODサービスを加入者の自宅に配信するコストをビデオのストリーム数で割ったもの)は大幅に下がっている。2001年末で600ドル以上かかっていたが現在は約475ドルにまでなっている

・全世界におけるCATVのVOD利用者数は,2003年初めの300万人強から,2006年には1100万人以上へと増加する

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