「2001年に欧州のADSLの利用者数が,初めてCATV利用者数を上回った」。米Yankee Groupが英国時間2月7日に,西欧15カ国における消費者向けブロードバンド市場に関して調査した結果を発表した。
Yankee社は2006年の市場状況を以下のように予測している。
- 全家庭の20%がブロードバンド接続を利用し,利用者数は3100万人を超える
- ブロードバンド接続市場は112億ユーロ(94億ドル)規模に達する
- ADSL接続の売上高は,消費者向けブロードバンド接続市場全体の80%を占める
ブロードバンド接続市場の成長の要因についてYankee社のJonathan Doran氏は,(1)既存通信事業者によるDSLサービスの継続展開,(2)ADSLとの競合に向けたCATV事業者の積極的なブロードバンド・サービス開発,という2点を挙げている。さらにそのほかの要因として,競争力のある価格,ユーザー自身で導入できるパッケージ利用拡大,ブロードバンドに対する国家の支援などを指摘する。
その一方で,いくつかのマイナス要因により家庭用ブロードバンド接続が伸び悩むことも予想できるという。「困難な経済情勢による計画縮小や,事業者どうしの競争回避によるサービス料金の高値安定状態が,顧客にブロードバンド接続の利用をあきらめさせる可能性がある」(Yankee社)
さらにDoran氏は最も大きなマイナス要因として,(1)消費者にブロードバンド接続の価値を説明できていないこと,(2)低価格のナローバンド接続が数多くあること,(3)競争力のあるブロードバンド・コンテンツが不足していること---を指摘している。
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