通信市場の調査会社,米TeleChoiceが米国時間11月27日に,北米におけるxDSL(Digital Subscriber Line)市場を調査した結果を発表した。2001年第3四半期末時点における稼働回線数は475万252で,その内訳は米国が382万1640本,カナダが92万8612となる。

 米国市場を事業者種別でみると,既存地域通信事業者(ILEC)が全体の85%を占めており圧倒的なシェアとなっている。このあと競合地域通信事業者(CLEC)の14%,長距離電話会社(IXC)の1%と続く。ILECのシェアは前期に比べ1%増である。

 なお,IXCのシェアは設備ベース・サービスの回線数で,再販回線は含まれていない。また米Sprintの回線は,その大半が同社地域サービス子会社が販売している。このことからSprint社はILECとして分類されており,同社の回線数はIXCに含まれない。

 ちなみに破産申請を行ったCLECの米Rhythms NetConnectionsの回線の処分が進めば,IXCのシェアは増えるという。これは,Rhythms社の資産の大半を米WorldComが取得することになるからである。

 米国市場では,加入者数が前期末に比べて487万149人増えた。第3四半期の新規加入者数は第2四半期のそれよりも15%多い。また第3四半期は,2001年に入ってはじめて新規加入者数が前年同期を上回った四半期である。

 ILEC別でみた場合,稼働回線数の伸び率が最も高いのは米BellSouthである。同社の前期比伸び率は22%であるのに対してILEC全体では16%となっている。

 CLEC全体の稼働回線数の伸び率は6%と低かった。今後はRhythms社の資産売却/閉鎖が行われることから,「第4四半期のCLEC市場はよくても“そこそこ”」(同社)という。

 同じく破産申請を行った米Covad Communicationsは,米SBC Communicationsから資金提供の約束を取り付けており,2002年第1四半期のはじめから回復に向かうという。このことが,2002年のCLEC市場全体の回復をもたらす可能性につながるという。

 2001年第3四半期のカナダ市場は前期に比べ幾分鈍化している。ただし同四半期中に加入者数が14万7669人増えている(前期比19%増)。これは「今の景気を考慮すると比較的好調」(TeleChoice社DSLアナリストのPat Hurley氏)。「2000年後期ほどのテンポではないものの新規加入者数は増えている」(同氏)。

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