米Yankee Groupは,多チャンネルのビデオ・プログラミングに関する調査結果を,米国時間2月26日に発表した。同社によれば,多チャンネルのビデオ・プログラミングが普及するにつれ,直接衛星放送(DBS:Direct Broadcast Satellite)プロバイダが,ケーブルの基盤をゆっくり侵食しているという。

 現在,米国世帯の87%が,何らかの多チャンネルのビデオ・プログラミングを購読している。主なソースはケーブルだが,利用者のシェアは80%に減少している。これには,ケーブル・テレビとDBSテレビの両方を利用する250万世帯も含まれており,全体として,ケーブル・テレビの利用者は減少している。

 「利用者ベースの縮小は深刻な問題である。一度解約した顧客を再び獲得するのは難しく,コストもかかる。これは,より高度なサービスの販売先が1件減少することを意味するため,将来的な売り上げ成長の制約につながる」(同社のシニア・アナリストのMichael Goodman氏)

 ケーブル企業は新規のデジタル・ケーブルと高速インターネット接続の利用者を獲得するが,全体の利用者数は減少する。また,ケーブル利用者のプロバイダに対する忠誠心は低いなどということも明らかになった。

 その他の主な調査結果は次の通り。
・消費者がDBSに移行する理由は,価格が低いからではなく,より価値が高いと認識しているためである。顧客の動機は価格だけではない。
・ケーブル通信事業者は,技術と価格のプロモーションに時間をかけすぎている

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