米In-Stat/MDRは米国時間4月2日,米国のCATV業界に関する調査結果を発表した。現在CATVは,DBS(直接衛星放送)のペイTVサービスと厳しい競争を強いられている。これに対抗してCATVは,デジタル・ビデオ,ケーブル・モデム,ケーブル・テレフォニなど,デジタル・サービス一式をパッケージで提供できる強みを売り込んでいる。
このようなデジタル・サービスを提供するために,米国のCATV事業者は過去2年間に300億ドル以上の投資を行い,HFCネットワーク・インフラのアップグレードを行った。CATV統括運営会社(MSO)の大手数社は,自社ケーブル・システムの大部分のアップグレードを完了している。ケーブル業界による資本支出は今後も続き,2002年の支出額は150億ドルを超える見通しだという。
「ケーブル業界は,先端技術を積極的に導入したり,急速に革新を行うタイプの業界ではなかった。しかし,全国の家庭にデジタル・ケーブル・サービスをもたらした点においては賞賛に値する」(In-Stat/MDR社上級アナリストのMike Paxton氏)
その他の主な調査結果は次の通り。
・過去1年に,CATVシステムで視聴できる6MHzのチャンネルが急増した。2001年はじめに70チャンネル以上を提供していたCATV事業者は全体の3分の1に満たなかったが,2002年2月時点ではその数がほぼ倍増している。
・CATV事業者の大半は追加したチャンネルを利用して,新しいアナログ/デジタル・ビデオ・サービスを導入している。
・デジタル・ケーブル・サービスには,また大きな成長の余地がある。現在,全CATV利用者におけるデジタル・ケーブル・サービスの普及率はわずか25%程度である。
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