国際電気通信連合の電子通信標準化部門(ITU-T)はケーブル・モデム標準規格「DOCSIS(Data Over Cable Service Interface Specification) 2.0」を「Recommendation J.122」勧告として承認した。CATV事業者が共同で設立しているコンソーシアムCable Television Laboratories(CableLabs)が米国時間12月19日に発表したもの。

 DOCSIS 2.0は,標準的なダイヤルアップ・モデムと比べて「最大600倍の通信速度を可能にする」(CableLabs)という。IPケーブル・カム,IPコミュニケーション/テレフォニといったサービス提供を視野に入れる。「DOCSIS 1.1(Recommendation J.112)」と下位互換性を持つ。2.0では上り(ユーザーからネットワークへ)のデータ転送に焦点を当て,1.1より通信速度を向上し,安定性の強化を図った。

 CableLabsの執行コンサルタントRouzbeh Yassini氏は,「すでに2000万台以上のDOCSIS対応モデムが出荷されている。欧州やアジアは,DOCSIS技術の世界的普及において大きな役割を果たしている」と述べた。「DOCSISの登場で,ケーブル・モデムの価格が急速に下がっている。DOCSISは,ケーブル事業者が消費者や企業向けに提供する新たなIPベース・サービスの基盤となる」(同氏)

 またCableLabsは,5社のモデム製品にDOCSIS 2.0準拠の認定を与えたことを同日発表した。DOCSIS 2.0認定を受けた企業は,米Motorola,米Scientific-Atlanta,米Terayon Communication Systems,米Texas Instruments,韓国のXrosstech。またTerayon社は,ケーブル・モデム端末システム(CMTS)でDOCSIS 2.0資格を受けた。

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