米AOL Time Warner傘下のAmerica Online(AOL)が米国時間6月26日に,米国のインスタント・メッセージング(IM)利用状況に関する調査結果を発表した。それによると,調査対象となった13歳以上の3650人のインターネット・ユーザーのうち76%がIMアプリケーションを使っているという。使用されるIMアプリケーションはAOL社の「AOL Instant Messenger(AIM)」(60%)がトップで,それに米Microsoftの「MSN」(45%)と米Yahoo!の「Yahoo」(37%)が続く。
調査は,AOL社の依頼により米Opinion Researchが5月20日~6月9日に実施したもの。主な調査結果は以下の通り。
・13歳~17歳のユーザーの93%はIMを利用している。そのほかの年代では,18歳~34歳が80%,35歳以上が71%
・ブロードバンド接続ユーザーの79%がIMを利用するのに対し,ダイヤルアップ接続ユーザーは72%
・IMを利用する場所は,家庭(71%),職場(21%),無線機器経由(8%),学校(7%)
・IMの活用方法は,ファイルや写真の共有(26%),顧客サービス(14%),ゲーム(13%)
・IMの利用目的は,友人とのチャット(85%)が最も多く,家族とのチャット(73%)がそれに続く
・IMユーザーの59%がアプリケーションをカスタム化している。変更する部分は,ボディ・アイコン(85%),サウンド(59%),壁紙(43%)
・IMユーザーの利用期間は平均で3.7年
・IMユーザーの26%は,電子メールよりもIMを使うことの方が多いという
調査結果について,AOL社メッセージング担当上級バイス・プレジデントのSteven McArthur氏は,「IMを必要とするインターネット・ユーザーが以前よりも増えているのは明かだ」と述べる。「IMは,オンライン活動において必要不可欠な機能になりつつある。友人とのチャット,仕事,家族との連絡,勉強など利用目的はさまざまだが,それなしでは行動できないほどのアプリケーションになろうとしている」(同氏)
またAOL社は,都市ごとのIMユーザーの割合についても調査した。
■IMユーザーの割合が多い都市トップ10 順位 都市名 1 ニューヨーク(ニューヨーク州) 2 フィラデルフィア(ペンシルベニア州) 3 ワシントンD.C. 4 サンフランシスコ(カリフォルニア州) 5 ロサンゼルス(カリフォルニア州) 6 アトランタ(ジョージア州) 7 ボストン(マサチューセッツ州) 8 シアトル(ワシントン州) 9 コロンバス(オハイオ州) 10 トレド(オハイオ州) 出典:AOL社
都市別にみた主な調査結果は以下の通り。
・ニューヨークではインターネット・ユーザーの89%がIMを利用しており,調査対象となった18都市のなかで圧倒的に利用率が高かった
・ワシントンD.C.とニューヨークのIMユーザーの平均利用期間は4年だった
・フィラデルフィアでは30%の人が“電子メールよりもIMを多く使う”と答えた
・トレドのIMユーザーは週16時間IMを利用するのに対し,全体の平均値は10.5時間だった
ニューヨークのIMユーザーに関する主な調査結果は以下の通り。
・最も多いIMの利用目的は,友人とのチャット(88%)と家族とのチャット(74%)。それ以外では,ファイル共有(26%),ゲーム(14%),顧客サービスの利用(10%),仕事(9%)という割合
・平均利用時間は週12時間
・使用されるIMアプリケーションの割合は,AIM(90%),Yahoo(22%),MSN(20%)となった
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