米Nielsen//NetRatingsが米国時間6月17日,アクティブ・ネット・ユーザーによるインスタント・メッセージング(IM)の利用状況について調査した結果を発表した。それによると5月は,家庭ユーザーの約40%(4100万人以上)が,主要IMサービスを少なくとも一つは利用しているという。また,IMサービスを利用した職場ユーザーの割合は31%(約1260万人)に達した。
5月の利用状況をIMサービス別にみると,米America Online(AOL)の「AOL Instant Messenger」がユニーク・ユーザー2200万人以上を獲得して首位に立った。同サービスは,家庭ユーザーの21%を引きつけている。2位は米Microsoftの「MSN Messenger」で1570万人,3位は米Yahoo!の「Yahoo!Messenger」で1240万人。そして「ICQ」が約440万人で4位に続いた。
IMサービスはインターネット・ブラウザ同様,オンライン世界のインタフェースとして確固たる地位を築いている。このため,「IM市場を制するプロバイダは,好みのコンテンツや商取引を提供したり,広告パートナを自由に選択できるなど,戦略的に有利な立場につくことができる」と,Nielsen//NetRatings社インターネット担当上級アナリストのJarvis Mak氏は説明する。
IMサービスのアクティブ・ユーザーは,複数のIMプログラムを利用していることも分かった。AOL Instant MessengerとMSN Messengerを併用するユーザーが最も多い。「今後は,異なるプラットフォーム間における相互操作性が,ユーザーの獲得とアプリケーション開発に大きく影響する」(Mak氏)見通しだ。
詳しい調査結果は以下の通り。
■米国家庭ユーザーのプログラム別IMサービス利用状況(単位:1000人) サービス名 ユニーク・ユーザー数 リーチ率(%) AOL Instant Messenger 22,144 21% MSN Messenger 15,678 15% Yahoo! Messenger 12,402 12% ICQ 4,368 4% 合計 41,482 39% 注:MSN MessengerとAOL Instant Messengerのユーザー数は, それぞれのアプリケーションにおけるユーザー数だけを表し, 他のアプリケーションからアクセスしたユーザー数は含まない。 出典:Nielsen//NetRatings社(2002年5月)
◎関連記事
■「米国IM市場で頭角を現す米Trillian,大手IMサービスとの相互操作性が武器」,米ジュピター
■マーケティングの米AOL,技術とビジョンの米Microsoft,IM戦争は2003年に決着
■「IMユーザーの20%は職場で利用,私用より仕事のため」---。米InsightExpressの調査
■インスタント・メッセージの企業ユーザーが2004年には2億人に迫る
■「顔を見てチャット!」,米ヤフーがインスタント・メッセージをビデオ対応に
■市場の声に押されるAOL,Instant Messengerのオープン化は必至
■米マイクロソフトが「Office v. X」向けアップデート集「Office v. X SR 1」をリリース
■米アップルが「Mac OS X」の次期版「Jaguar」をプレビュー
[発表資料へ]