米Microsoftは企業向けのインスタント・メッセージング(IM)サービス「MSN Messenger Connect for Enterprises」を米国時間11月13日に発表した。「顧客と直接やり取りして取引を行う効率的な手段を企業に提供するという,当社の企業向けメッセージング戦略『Greenwich』(開発コード名)実現の第1歩となる」(Microsoft社)

 MSN Messenger Connect for Enterprisesを使用すると,やり取りするメッセージをMicrosoft社のデータベース・ソフトウエアSQL Server 2000に記録し,後から検索することができるようになる。IMで使用するユーザー名は社内で管理することが可能。そのため企業は,「IMを利用している顧客とのあいだで,管理可能で安全な手段を使ってビジネスを進められる」(同社)

 同サービスは,Active Directory APIとの統合や,Exchange 2000による既存のIMサービスと組み合わせて利用することも可能。

 「MSN Messenger Connect for Enterprisesにより,企業は今すぐ7500万人以上いるMSN Messengerユーザーとのコミュニケーションが実現する。たとえば,早く伝えるべき情報を顧客と共有したり,クライアントとリアルタイムに取引したりできる」(同社)

 同サービスの利用料金は1ユーザー当り1年間24ドルで,ボリューム・ディスカウントも用意する。2003年第1四半期に利用可能とする予定。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると,MSN Messenger Connect for Enterprises用のログ管理/記録,やり取りの監査を行うソフトウエアは,米FaceTime Communicationsと米IMlogicが提供するという。また両社はサーバー技術でも協力する。Microsoft社の認証サービスPassportを使ってMSN Messengerのアカウントを設定できるようにする。

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