米AOL Time Warner傘下のAmerica Online(AOL)が米国時間11月4日に,企業向けインスタント・メッセージング・サービス「Enterprise AIM Services」の開始を発表した。

 同社のインスタント・メッセージング(IM)ソフトウエア「AOL Instant Messenger(AIM)」が備えるすべての機能をはじめ,IM利用を管理する「AIM Enterprise Gateway」が含まれる。AIM Enterprise Gatewayにより,システム管理者は社内のIM利用を集中管理できる。企業ファイアウオール内のプロキシ・サーバーとして動作し,ログやレポート作成を通じて,IM利用が法規に準じているかどうか監視することが可能。

 Enterprise AIM ServicesにはユーザーIDの一元的な管理を可能にする「Private Domain Service with Federated Authentication」がオプションで付属する。管理者は,企業ディレクトリと“スクリーン・ネーム”を照合してユーザーIDを管理するほか,電子メール・アドレスと同様のドメインを作成することができる。

 「職場におけるAIM利用が増加しており,企業はインスタント・メッセージおよびプレゼンス認識技術が既存の通信サービスを補完し,生産性を高め,顧客サービスの向上につながることに気づきはじめている。Enterprise AIM Servicesは,ユーザーが使い慣れたIMインフラに企業が望む管理機能を追加している」(AOL社会長兼CEOのJon Miller氏)

 なお,AOL社はAIM向けセキュリティ機能の開発に現在取り組んでいるという。開発中の暗号化機能は2003年に利用可能にする。

 またAOL社は,「Developer Access Package」と「Certified Developer Program」を認定開発者パートナ向けに用意する。AIMクライアントやサービス,ネットワークに対応したアプリケーション開発を支援し,技術インタフェース,ツール,書類などを提供する。

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