米FaceTime Communicationsが米国時間7月30日に,情報セキュリティ管理を強化した企業向けインスタント・メッセージング(IM)のソリューション「IM Auditor Guardian for Information Security」を発表した。同社の「IM Director」製品ファミリの新製品となる。同製品により,企業は,従業員に馴染みのあるインスタント・メッセージング・ツールの利用を許可しながら,ネットワーク・セキュリティと情報セキュリティ管理のプロセスを改善できる。

 同製品は,企業内ですでに個人単位で従業員がインスタント・メッセージングを使用しているネットワークにおいて,適切なロギングとポリシーをベースとしたアクセス制御を行う。これにより,企業の知的財産の損失を防ぎ法律上の責任を回避するのを支援する。同製品は,AOL,Microsoft,Yahoo! IMネットワークに対応し,FaceTime社のサイトから入手可能となっている。

 職場においてパブリックIMネットワークの人気は高く,ユーザーが企業のネットワークを利用して個人で登録,ダウンロード,IMネットワークの使用ができるため,多くのIT組織にとって技術管理に関する問題が生じている。

 「IM Auditor Guardian for Information Security」は,職場におけるIMの使用がウイルス攻撃の増加,重要な企業情報の悪用につながることを懸念するIT,人事,企業セキュリティ担当者に向けのソリューション。IMメッセージのログとコントロールを行い,ファイル転送,VoIP,ゲームなどのピア・ツー・ピアの接続におけるコントロールを提供する。

 同製品により,企業は利用状況をベースとしたレポートを作成できるため,IMの利用を企業のポリシーに基づいて制限できる。さらに,会社がIMコミュニケーションのトラックとログを行っていることを知らせるメッセージを通信ストリームに挿入する。

 「IDCの調査によれば,70%の企業で従業員がIMを使っている。これらの企業は,AIM,MSN,YahooなどのパブリックなIMネットワークを利用して外部のパートナ,サプライヤ,同僚などとコミュニケーションを取っていることを認識している。引き続き消費者向けIMサービスの利用を望む企業にとって,ビジネス向けにセキュアでIMトラフィックのロギング,トラッキング,アーカイブを行うアプリケーションが必要不可欠になると予測される」(IDCのアナリストのRobert Mahowald氏)

 同製品は,インストールと設定が容易で,インスタント・メッセージンングのクライアント・ソフトとbuddyリストなどの使用方法に変更は無い。Webベースのレポート機能を持ち,既存の企業プロキシ・サーバーをサポートする。

◎関連記事
定着したIMサービス,家庭/職場ユーザーとも30%以上が利用,首位は「AOL Instant Messenger」
AOLがAOL Instant Messenger 4.0を発表,音声通信の「AIM Talk」追加
「米国IM市場で頭角を現す米Trillian,大手IMサービスとの相互操作性が武器」,米ジュピター
マーケティングの米AOL,技術とビジョンの米Microsoft,IM戦争は2003年に決着
インスタント・メッセージの企業ユーザーが2004年には2億人に迫る

発表資料へ