米Yahoo!は米国時間10月7日,企業向けインスタント・メッセージング製品「Yahoo! Messenger Enterprise Edition 1.0」を発表した。

 「インスタント・メッセージングは企業のコミュニケーションや生産性向上にとって必要不可欠な手段になっている。それとともに,セキュリティ機能や管理機能に対する要求も高まっている。Yahoo! Messenger Enterprise Editionはこうした要求に応える」(Yahoo!社)

 米IDCの調査によると,約6500万人の社員がすでに消費者向けインスタント・メッセージング製品を使用しており,2005年には2億5500万人まで増加する見通しだ。米Media Metrixによれば,「Yahoo! Messenger」は過去半年で最も急速に利用者が増えているという。Yahoo! Messenger Enterprise Editionは消費者向け製品であるYahoo! Messengerと同様の使い勝手と機能を備える一方,企業ユーザーが必要とするセキュリティ,管理,相互接続,統合などに関する機能を追加した。

 Yahoo! Messenger Enterprise Editionの主な特徴は以下の通り。

・セキュリティ:SSLベースの暗号化を採用。企業ディレクトリと照らし合わせてユーザー認証を行う。電子メール・アドレスをスクリーン名に使用する。

・管理:企業ディレクトリと連携したユーザー名を使用。ファイル交換やチャットといったクライアント機能を,管理者が有効/無効に設定できる。ボタン,タブ,リンク,アイコンなどのユーザー・インタフェース変更を一元的に操作可能。

・相互接続:Yahoo!社の消費者向けIMネットワークにアクセス可能。社員のプレゼンス(ネットワークにアクセスしている/していない)を表示。

・統合:米BEA Systems,米Oracle,米TIBCO Softwareなどのポータル構築ソフトウエアやビジネス・プラットフォームに対応。米Novellの「eDirectory」や米Sun Microsystemsの「SunONE Directory Server」をはじめ,Oracle社の「Oracle9i Application Server」のディレクトリ機能と連携する。

 Yahoo! Messenger Enterprise Editionは,特定の顧客向けに2002年第4四半期よりベータ版の提供を開始する。製品版の出荷は2003年第1四半期を予定している。

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