米IDCは米国時間3月11日に,IT企業のマーケティング活動に関する調査結果を発表した。それによると,嗜好調査やメディア露出分析など,自社マーケティング・プログラムの効果を測定しているのは,3社のうち1社だけだった。また,包括的なマーケティング測定基準を確立している企業は,回答企業90社のうち2社に過ぎなかった。

 ここ2年以上にわたり,IT企業のマーケティング予算が削減されていたことは,技術業界のマーケティングにより大きな問題を引き起こしている,とIDCは指摘する。「多くのITマーケティング担当者は,マーケティング投資による収益を立証しなければならないというプレッシャに対処するため,マーケティングの本質を省みなくなった。売り上げ第一の狭義の目標に結びついた戦術的要素しか追い求めないマーケティング担当者が増えている。同時に,マーケティング効果測定の欠如により,ブランドや企業イメージを確立するための戦略的な要素が大幅に減った」(IDC)

 2003年のマーケティング予算については,回答企業の70%が2002年と同程度,または増加する予定である。企業のマーケティング予算は回復に向っているが,マーケティング担当者は,「あるマーケティング・プログラムの効果を判断し,プログラムの費用を正当化するには,プログラム導入,投資回収,業界のベスト・プラクティスなどについて,より精度の高い情報を入手する必要がある」(IDC)

 またマーケティング担当者は,プログラムごとに社内外のマーケティング効果を測定する手法が必要になる。さらに,自社プログラムを競合他社や業界全体と比較する評価法についても検討すべきである。

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