米Jupiter Researchが米国時間10月22日に,オンライン広告に関して調査した結果を発表した。それによると,2002年のオンライン広告支出は2001年とほぼ同様の56億ドルにとどまる。しかし,米国経済が緩やかに回復するとともに,2003年は前年比10%増加する。

 インターネット人口が増加し,オンライン広告業者が広告枠管理を改善するなど,景気回復以外の要因も手伝って,2007年にはオンライン広告支出が140億ドルに達する見込みだ。

 最も期待できる分野はクラシファイド(求人などの三行広告)で,2003年には前年比16%増の14億ドルを創出する。

 現在オンライン広告を利用する企業を業界別でみると,メディア関連が20%,金融サービスが17%,ハードウエアおよびソフトウエアが12%を占める。また,今後5年間で,自動車業界が18億ドル,医療業界が10億ドル,旅行業界が8億ドル以上をオンライン広告に費やすようになる。

 「オンライ広告支出はこの1年,まったく成長していない。しかし回復基調にある。広告業者は,金融サービス,自動車業界,コンピュータ・ハードウエア関連といった伝統的な広告主に目を向けるべきである」(Jupiter Research社副社長兼上級アナリストのPatrick Keane氏)

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・地域向けオンライ広告支出は2002年に12億ドルに達し,2007年には35億ドルに成長する。2002年の地域向けオンライ広告支出のうち,91%をクラシファイドが占める。

・2007年には米国家庭の78%がオンラインを利用するようになる。

◎関連記事
「効果的な広告スペースなら少々高額でもOK」とオンライン広告主の64%
「リッチ・メディア広告のクリック・スルー率は標準的な広告の6倍」,米ダブルクリック
「広告におけるマルチメディアの利用が過去4カ月間に30%増」,米ダブルクリック
「2002年1月~4月にオンライン広告が33%急増,1年の下降を3カ月で逆転」,と米調査
「オンライン広告への期待は高い,ただし効果の測定基準が必要」,と米調査
オンライン広告をリアルタイムに効果測定するサービス,米ジュピター開始
あちこちで目につくポップアップ広告だが,オンライン広告で占める割合はたったの2%
ポップアップ広告は生き残りを許されるか

[発表資料へ]