米Cisco Systemsは,サード・パーティ機器に無線LANインフラ「Cisco Aironet」の機能を組み込み可能とする無償ライセンス「Cisco Compatible Extensions」を米国時間2月24日に発表した。同ライセンスを取得すると,OEMやODM(Original Design Manufacturer)などのメーカーは,自社の機器にCisco Aironetとの相互接続性をもつ無線LAN機能を組み込めるようになる。

 Cisco社では,「Cisco Compatible Extensionsにより,顧客は信頼性に優れた『Cisco Compatible』マーク付きの多種多様なクライアント・アダプタやモバイル機器を,無線LANに導入できる」と説明する。

 Cisco Compatibilityの相互接続性は,Cisco Compatible Extensionsの協力企業やODM/OEMが開設する独立系テスト機関の試験を通じて保証する。Cisco社製無線LANインフラとの相互接続試験に合格すると,Cisco Compatibleブランドを機器に表示する権利を得られる。同ブランドは,Cisco Compatible Extensionの全機能に対応していることを示す。Cisco Compatible Extensions Version 1で採用予定の対応項目は,以下の通り。

・Wi-FiおよびIEEE 802.11の完全準拠

・「Cisco Wireless Security Suite」の準拠

・無線LANクライアントの仮想LAN(VLAN)割り当てに関するCisco社方式との互換性

 また確定前の標準仕様を支援するため,今後同社はCisco Compatible Extensionsを定期的に拡張するという。同日より30日~60日後にリリース予定のCompatible Extensions Version 2では,以下の項目への対応を予定している。

・IEEE 802.1X認証タイプPEAP。Extensible Authentication Protocol(EAP),つまりCisco LEAPなどさまざまなIEEE 802.1X認証タイプを使用している場合には,Wi-Fi Protected Access(WPA)への準拠

・ローミングの性能と無線LANの管理性を改善した新たなCisco社の無線LANインフラ機能

 なおCisco Compatible Extensionsに対しては,米Agere Systems,米Atheros Communications,米Atmel,米Hewlett-Packard,米IBM,米Intel,米Intersil,米Marvell Semiconductor,米Texas Instrumentsが支援を表明しているという。

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