米In-Stat/MDRが米国時間2月19日,米国における家庭内ネットワークの普及状況について調査した結果を発表した。それによると,家庭内ネットワークを導入している米国世帯の割合は2001年の8%から2002年には10%へと拡大した。

 米国の961世帯を対象に電話によるアンケートを実施したところ,年齢や年収とは無関係に,家庭内ネットワークを導入する世帯が増加していることが分かった。

 In-Stat/MDR社アナリストのJaclynn Bumback氏によると,「広帯域接続を行うユーザーが増えており,複数のパソコンからインターネットに接続する手段として家庭内ネットワークが注目を集めている」という。

 ユーザーはインターネット接続の他にも,ファイル,デジタル音楽,ゲームなどを共有するために家庭内ネットワークを利用している。また現時点では少数派だが,家庭内の機器をコントロールしたり,遠隔ビデオ・モニタリングを行うために導入する世帯もあるという。

 その他の主な調査結果は次の通り。

・現在,家庭内ネットワークを構築する技術としてはEthernetが優勢である。しかし今後,無線ネットワークが急速に普及し,有線ネットワークを追い抜く見通しだ。家庭内ネットワーク導入の有無にかかわらず,多数の米国世帯が無線ネットワークに強い関心を示している

・無線ネットワークに関心を持つ家庭の多くが,今後2年以内に無線ネットワーク機器を購入する予定だという。なお,無線ネットワークの普及を後押ししているのは,無線カード,アクセス・ポイント,ルーターの低価格化である

・家庭内ネットワークの普及に伴い,ユーザーはサービス・プロバイダにネットワーク機器や広帯域サービスの提供を求めるようになる。これによりサービス・プロバイダは,家庭向けゲートウエイ,音声やビデオ・コンテンツ,セキュリティ,ホーム・オートメーションなどのサービスで新たな収入源を獲得する

◎関連記事
2006年には米国の2300万世帯がPCベースの家庭内ネットワークを導入,ただしキラー・アプリは“音楽”
「家庭内ネットワーク市場は成熟期,今後4年間で普及率は10倍に」---。米ベライゾンが予測
「家庭内ネットワーク製品市場,2006年には現在の6.6倍に」と米In-Stat
家庭向けゲートウエイ市場,2006年には2001年の約10倍の1億1000万ドル規模へ,組み込みOSからミドルウエアやアプリケーションへと需要も変化
「米国世帯の広帯域利用,2006年には過半数に迫る勢い」と米ジュピター
「米国の持ち家世帯の42%は家庭のインターネット化に意欲的」と米調査
IPの波に乗りホーム・オートメーション市場が離陸,2005年に30億ドル規模に
3Com,Sun,Cisco,松下などが家庭のインターネット化で業界団体

[発表資料へ]