「家庭内ネットワーク導入の主な目的は複数のパソコンでインターネット接続を共有すること。しかし,家庭内ネットワークのキラー・アプリケーションとして台頭するのは音楽だ」。米Jupiter Media Metrixが米国時間6月19日に,消費者の家庭内ネットワークに対する関心度などについて調査した結果を発表した。

 広帯域接続ユーザーの1/3は家庭内ネットワークの導入に関心を抱いており,パソコン向けの音楽ファイルを家庭のステレオで聴きたいと考えているという。32%の広帯域接続ユーザーは,家庭内ネットワークを電灯のコントロールや温度調節など,パソコンを介したホーム・オートメーションに利用すると回答した。

 「家庭内ネットワークは二つのタイプに大別できる。パソコン・ベースと,テレビなどのメディア・ベースである。装置メーカーや広帯域ISPは両タイプに対応した戦略を立て,消費者のニーズに応えるべきである」(Jupiter社)

 ちなみにJupiter社の予測によると,2006年にはオンライン接続を行っている米国家庭の29%(2300万世帯)が,パソコン・ベースの家庭内ネットワークを導入するようになる。

 2001年12月時点で,広帯域接続を行っている米国家庭の58%(約600万世帯)が2台以上のパソコンを利用しており,28%(約300万世帯)がなんらかの家庭内ネットワークを構築している。また,広帯域接続を行っている米国家庭の25%が3台以上のパソコンを使っている。

 「この数字から,家庭内ネットワークに興味を持つ潜在家庭が多いことは明らかだ。一方,ダイヤルアップ接続を行っている家庭には,家庭内ネットワークの普及は期待できない。2001年末時点で,なんらかの家庭内ネットワークを構築しているダイヤルアップ世帯の割合はわずか5%だった」(Jupiter社)

 また同社は,消費者における家庭内ネットワーク構築の障害となっている主な問題として,高いコスト,ネットワーク設定と保守の手間,困難な技術選択(無線/有線など),情報および配信ソースが安定していない点を挙げた。

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