XML関連の標準化団体Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)のメンバーが,Webサービスを使って翻訳/ローカライズ作業を自動化するための標準技術を開発する技術委員会「OASIS Translation Web Services Technical Committee(TC)」を発足させた。OASISが米国時間12月17日に明らかにしたもの。

 OASIS Translation Web Services TCでは,「ソフトウエアのローカライズ関連作業のバックボーンとしてWebサービスを利用する」と説明する。「(同TCの開発する技術を利用することで)コンテンツの翻訳を必要とするパブリッシャは誰でも,インターネット経由で任意の翻訳ベンダーに接続し,そのサービスを利用できるようになる。利用に先立ち相手と直接交渉する必要はない」(米Bowne Global SolutionsのPeter Reynolds氏,同氏は同TCの委員長に就任)

 同TCでは当初,ソフトウエアやコンテンツのローカライズ/翻訳業界が扱うサービスについて,タイプを定義する作業に注力するという。

 また同TCは,OASISでローカライズ関連技術を検討しているOASIS XML Localization Interchange File Format(XLIFF)TCとも協力するとしている。

 「分散して作業の進むソフトウエア・ローカライズでは,さまざまな役割を持つサービスなど(アクター)が協調している。OASIS Translation Web Services TCは,こうしたアクター間の標準インタフェースの定義を行う。アクター経由でローカライズ・データを移動する際には,最小限の導入コストでXLIFF対応ツールを利用できるようになるはずだ」(米OracleのTony Jewtushenko氏,OASIS XLIFF TC委員長)

 なおOASIS Translation Web Services TCの活動に対し,以下の企業が協力を表明している。米DataPower,米IBM,アイルランドLocalisation Research Centre,米Microsoft,米Oracle,ドイツSAP AG。

◎関連記事
OASISとLISA,ローカリゼーション活動状況を調査するアンケートを開始
XMLでソフトの各国語対応を容易に---米IBM,米オラクル,米サンなど参加で技術委員会発足
「WWWサイトのローカライズ市場が急成長,2007年末には17億ドル規模へ」,米ABIの調査
「ITサービス・プロバイダの成功にはグローバル化が不可欠」と米ガートナー
「世界の企業間EC市場は年率76%で成長し,2005年には約3兆ドル」と米IDC
「日本語対応サイトを提供している米国オンライン販売業者はわずか18%」---米調査から
機械翻訳含む世界の翻訳市場は2005年に227億ドル規模
2004年には企業間ECサイトの80%がグローバル化---IDCの調査

[発表資料へ]