米Symantecが米国時間12月2日に,スパム・メールに関する調査結果を発表した。それによると,職場や家庭で1週間当たりに「100通以上」のスパム・メールを受信するユーザーは37%,「50通以上」受信するユーザーは63%に達したという。「消費者はスパム・メールのことを,『時間を無駄にする,不愉快で手に負えないもの』と考えている」(同社)

 調査は,Symantec社が米InsightExpressに依頼して行ったもの。電子メール・ユーザー1000人を対象に実施した

 「スパム・メールは程度の差こそあれ,迷惑以外の何ものでもない。また,被害がひどくなれば,ユーザーの生産性を低下させ,リソースを無駄に使わせることになる」と,Symantec社Consumer and Client Product Delivery部門担当上級副社長のSteve Cullen氏は指摘する。「消費者が受け取るスパム・メールの数は日ごとに増えており,ユーザーがこれまで通りオンライン環境の恩恵を享受するためにも,何らかの対策が必要なことは明らかだ」(同氏)

 スパム・メールが電子メール・ユーザーにとって有害であるかという点について,「その通りだと思う」あるいは「まったくその通りだと思う」とする回答者は69%だった。18歳未満の子供がいるユーザーの77%は,子供がスパム・メールを読むかもしれないことを「心配している」または「非常に心配している」と回答した。

 また,スパム・メールがユーザーに時間を浪費させるという点について,「その通りだと思う」あるいは「まったくその通りだと思う」と回答したユーザーは84%にのぼった。スパム・メールに対処するために,ユーザーの65%が1日当たり「10分以上」,24%が「20分以上」時間をとられている。

 スパム・メールに対する懸念事項としては,「ポルノなど不適切な内容」を挙げたユーザーが最も多く38%だった。次いで,「スパム・メールの削除や登録解除に時間がかかる」と回答したユーザーが36%。他には,「コンピュータや電子メール・アプリケーションのリソースを無駄に使う」(18%),「登録解除や遮断が困難」(18%),「不必要だし,要求していないのに送信される」(18%)などの悩みが挙げられた。

 受信するスパム・メールの数が「増えている」というユーザーは74%にのぼり,「減っている」と回答したユーザーはわずか4%に過ぎなかった。また,スパム・メールが頭痛の種と認める一方で,スパム・フィルタを利用しているユーザーは42%にとどまった。

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