米Gartnerの一部門であるGartnerG2が米国時間3月19日に,電子メール広告市場に関して調査した結果を発表した。それによると,2002年における電子メール広告の売上高は12億6000万ドルに達するという。2001年に9億4800万ドルだった市場規模は,2005年に15億ドルに成長する見込みだ。

 GartnerG2社によれば,多くの企業は従来のダイレクト・メールの代わりに,電子メール・マーケティング・キャンペーンを利用しているという。同社は,「電子メール・マーケティングの方が,顧客を獲得および確保するためのコスト効率が良い」と分析する。

 「米国家庭が受け取る郵便物のうち,ダイレクト・メールの割合は2001年に65%を占めたが,2005年には50%未満に減少する。消費者は電子メールを使い慣れるとともに電子メールへの信頼性が高まり,コンピュータを通じて広告を受け取ることに抵抗を感じなくなる」(GartnerG2社調査ディレクタのDenise Garcia氏)

 また,電子メール・マーケティングの方が効果的で容易にその成果を測定できると,GartnerG2社は指摘する。キャンペーンを完了するまでに要する期間は,ダイレクト・メールが平均4~6週間であるのに対し,電子メールは平均7~10営業日。キャンペーンの反応を受け取るまでの期間は,ダイレクト・メールが平均3~6週間,電子メールが平均3日間。「電子メール・マーケティングの場合,作成から配信,そして反応を受け取るまでにかかる時間は従来のダイレクト・メールの10分の1程度である」(Garcia氏)

 コストの面でも,電子メール・キャンペーンは1000件当たりの費用が5~7ドルで,ダイレクト・メール・キャンペーンの同500~700ドルと比べて大幅に低い。

 電子メール・マーケティングの中では,ユーザーの許可を受けて広告を配信するパーミッション・ベースやユーザーの属性と希望に合った広告だけを配信するオプトインなどが,高い確率の反応を受けているという。広告を受け取った消費者がなんらかの反応を示す確率は,電子メール・マーケティング全体では1%程度でダイレクト・メールの場合と変わらない。しかし,パーミッション・ベースの電子メール広告では,この確率が6~8%に上昇する。

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