米Hewlett-Packard(HP)が米国時間11月19日に,コンピュータ自身が適性を管理する「Adaptive Management Platform」構想の概要を明らかにした。「企業における異種混合のインフラ・リソースを効率的に利用できる環境を目指す」(HP社)としている。

 HP社Software Global Business Unit部門上級バイス・プレジデントのNora Denzel氏は,「企業は,顧客のニーズに合わせた変化に即座に適応できるインフラを必要としている。競争が激しい現在のグローバル市場では,こうしたインフラ管理がかつてないほど重要になっている。HP社は従来の管理ソフトウエアを拡充し,ユーザーが不測の変化に瞬時に対応できるようにする」と説明した。

 業界の調査によると,企業は利用可能なIT機能の20%~35%しか活用できていないという。HP社のソリューションでは,「この数値を75%以上に高めることを目的とする」(HP社)。

 現在の技術では,企業は継続的にコンピュータ・インフラを監視し,問題が起きるとその処理にあたっている。HP社は,自動的にリソースを追加したり割り当て直す機能を提供することで,こうしたインフラ管理の向上を図る。Adaptive Management Platformによりサービス管理ソフトウエア「HP OpenView」の機能を強化し,資産集約,ビジュアライゼーション,ビジネス・プロセス・インフラ統合,Webサービス,セキュリティ管理などに向けた包括的な手法を提供する。

 Adaptive Management Platformは現在,HP社の「Utility Data Center(UDC)」に取り入れられている。ビジュアライゼーション,ユーティリティ制御,サービス管理ソフトウエアと組み合わせることにより,サーバー,アプライアンス,ネットワーク,ストレージといった同センター全体にわたるリソースを集約および視覚化し,あらゆるアプリケーションへの動的な割り当てが可能。

 HP社は今後18カ月で,各種のAdaptive Management Platformソリューションをリリースする予定である。ビジュアライゼーション,自動配備,業務レベルのSLA(service level agreements),ビジネス・プロセス統合,サービス管理などの分野を視野に入れる。

 また同社は,HP OpenViewファミリの新製品や拡張機能などを発表した。ネットワーク管理ソフトウエアの最新版「HP OpenView Network Node Manager 6.4」と「同Network Node Manager Extended Topology 2.0」,Webサービス管理エンジン「HP OpenView Web Service Management Engine」,J2EEや.NETに対応した新たな「HP OpenView Smart Plug-in」などである。

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