米IBMが米国時間11月4日に,カナダのTarian Softwareを買収することで最終合意書に署名したことを明らかにした。取り引きは2002年第4四半期に完了する予定である。買収金額については明らかにしていない。

 Tarian社はカナダのオタワに所在する未公開企業で,デジタル・データ管理ソフトウエアの開発を手がけている。

 IBM社はTarian社買収により,企業向けコンテンツ管理事業を拡充する。「顧客企業における重要な企業情報の作成から管理,処分まですべての段階におけるデータ管理を支援する。デジタル・データ管理ソフトウエアはとりわけ政府機関をはじめ,保険,金融,製造などの業界で需要が高い」(IBM社)

 買収取り引き完了後,IBM社はTarian社の事業と社員をIBM社のData Management Software部門に組み込む。IBM社とTarian社の営業部門を統合し,Tarian社製品のマーケティングと販売を進める。また,Tarian社の技術を「Content Manager」「DB2」「Lotus」などのソフトウエアに取り入れる予定である。

 ちなみに,IBM社のData Management Software部門の中でも企業向けコンテンツ管理は最も伸びている分野であり,2002年第3四半期における同社のContent Managerの売上高は前年同期比20%増加したという。また米Meta Groupによると,企業向けコンテンツ管理市場は2004年に100億ドルを超える規模に拡大するという。

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「コンテンツ管理市場は2003年まで整理統合が進み,2004年には100億ドル規模」,米調査より
「リッチ・メディア資産管理市場は2006年までに15億ドル規模に成長」,米IDCの調査
「企業は不適切なコンテンツ管理システムに費用をかけすぎている」,米ジュピターの調査

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