「企業はデジタル・コンテンツ管理システムに費用をかけすぎている」,などとする調査結果を,米Jupiter Media Matrixが米国時間6月11日に発表した。それによると,企業は単純なコンテンツ管理のために,場合によっては技術を持たない従業員に1人当たり年間2万5000ドルも支払っている。

 多くの場合,カスタマイゼーション,統合,導入コストは基本的ライセンス料の6倍にのぼる。大規模なWWWサイトを運用していない企業は,コスト削減を検討するべきだ,とJupiter社は指摘する。

 「企業がオンライン・コンテンツ管理システムに過剰支出するのは,オンライン・コンテンツ管理の問題にどうやって適切に対処したらいいか分かっていないためだ。評判の高いコンテンツ管理プラットフォームの大半は,大規模WWWサイトの場合のみ優れたコスト効率を発揮する。企業はコンテンツ管理のニーズ,ソリューション,コストが見合ってるかどうか注意する必要がある」(Jupiter社調査アナリストのMatthew Berk氏)

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・企業はコンテンツ管理をWWWサイト運用のカギと考えている。企業の53%は2002年末までに,ドキュメント,コンテンツ,メディア資産向けの新たな管理システムを導入する。またWWWサイト・マネジャの19%は,コンテンツ管理統合プロジェクトに取りかかり,複数のWWWサイトを管理するシステムを統合する計画だという。

・自社で開発したコンテンツ管理システムを利用している企業は31%だけだった。しかし2004年には,自社開発のシステムを導入する企業数は2倍に増加する見通しだ。Jupiter社のアドバイスによれば,自社開発のシステムを適用するWWWサイトが一つの場合,関係者は20名以下,ワークフローは数段階におさえるとよい。

・経営者の約1/4は,コンテンツ管理システムが充実していないことに不満を抱いている。回答者によると,WWWサイト・マネジャは「複雑なコンテンツ管理ソフトウエアを扱うのにコストがかかりすぎる」と不平をもらしているという。明らかに現在導入しているシステムが,最も強化したい部分に対して十分な機能を備えていない。

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