米IBMが米国時間6月10日に,企業向けデジタル・コンテンツ管理ソフトウエア「Content Manager」の「バージョン8」を発表した。

 Content Managerバージョン8を使って,企業はさまざまなデータ形式の情報を管理し,統合することが可能。スキャンした画像,オーディオ,ビデオをはじめ,異なるソフトウエア・ベンダーの製品に保存している情報を扱える。

 デジタル形式で情報を取り込むことで,より速く効率的に顧客などの要求に対応し,新規市場への参入を実現できる。「こうした迅速な対応が結果的に収益向上につながる」(IBM社)。業界の専門家によると,社員は就業時間の35%を必要な情報の検索に費やしているという。

 Content Managerバージョン8では「検索性能を25%引き上げた。また,開発者はアプリケーション構築の時間を30%短縮できる」(IBM社)としている。

 Content Managerバージョン8はさまざまなデータ源のあらゆるデータ形式に対応する。「Lotus Notes」のほか,「Documentum」「FileNet」「Oracle」「Sybase」「Microsoft SQL Server」などのデータにアクセスすることができる。

 また,Content Managerバージョン8は直感的なプログラム・インタフェースを備え,MPEG-4やXMLといった標準規格へのサポートも強化した。データベース・ソフトウエア「DB2」の「Self Managing and Resource Tuning(SMART)」技術を利用し,負荷分散機能や自動クエリー変換を可能にする。その他,LDAPやJava対応ツールを組み込んでおり,一元的な管理が行える。

 ちなみに米META Groupの調査によると,2004年にはGlobal 2000企業の95%がコンテンツ管理インフラを導入するという。コンテンツ管理インフラ市場は2004年に100億ドル規模を上まわる。

 Content Managerバージョン8は現在ベータ版が利用可能。一般向けリリースは2002年9月を予定している。価格は1プロセサ当たり2万4000ドル。「AIX」「NT」「OS/390」などのOSに対応する。

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