米IBMが米国時間4月24日に,ビデオや番組製作に向けたデジタル資産管理ソフトウエア・スイート「Media Production Suite」の初回リリース版を発表した。ビデオ資産の管理,記録,再製作,アセンブル,配信を行うための一元化した環境を提供する。

 米META Groupの調査によると,2004年には3000億ドル相当のコンテンツが電子配信され,そのうち1000億ドル相当はダウンロード可能なデジタル形式で配信されるという。これらのデジタル配信はなんらかのデジタル・コンテンツ管理技術を必要とする。

 Media Production Suiteはワークフロー,メディア変換管理,メディア品質管理,メディア記録管理といった機能を提供し,メディア製作プロセスを支援する。顧客のハードウエア環境や要求に応じたカスタマイズが可能。ビデオ撮影,管理,記録,配信製品と組み合わせて利用する。「DB2 Universal Database Enterprise Edition」「WebSphere Application Server」「Content Manager」「Tivoli Storage Manager」といったIBM社のソフトウエア・インフラ製品をベースにする。

 Media Production Suiteを利用してメディア資産を共有,再利用,用途変換することにより,「製作効率を高め,新たな収入源を獲得することができる」(IBM社)としている。

 Media Production Suiteは,アナログやデジタル情報からビデオや基本メタデータを取得する取り込み機能や,メタデータを編集および改良するカタログ機能が特徴。コンテンツを社内で評価,共有,配信することができる。

 また,ソニーのビデオ・サーバーやストレージ製品,Virage社のビデオ・ログ用製品,Minerva社の符号化製品などと組み合わせて利用することが可能。既存のMPEG標準規格をサポートしており,最終的には主なメディア形式,メディアおよびメタデータ変換向け標準規格に対応させる予定である。

 ちなみにIBM社とソニーは4月22日に,米CNNが所有するビデオ・テープのデジタル化プロジェクトで協力することを発表している。

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