米Intelは,20億ドルかけて拡張したニューメキシコ州リオ・ランチョにある半導体製造工場「Fab 11X」の操業を開始した。Intel社が米国時間10月23日に明らかにしたもの。「同工場で0.13μmプロセス技術と300mmウエーハを使ったマイクロプロセサを製造する。これにより,当社の300mmウエーハ製造能力を増強させる」(Intel社)

 この拡張の結果,Fab 11Xは20万平方フィート(約1万8580平方m)のクリーン・ルームを備え,総敷地面積は100万平方フィート(9万2900平方m)を超える規模となった。また同工場では,2003年に製造プロセスを90nmルールに切り替える予定という。

 「300mmウエーハと90nmプロセス技術を組み合わせることで,製造コストを削減できることに加え,生産性を向上させ,世界最先端の半導体製品を入手しやすいものにする」(Intel社社長兼COOのPaul Otellini氏)

 300mmウエーハは,現在最も利用されている200mmウエーハと比べてコンピュータ・チップの生産性を大幅に高め,コストを抑えることができる。300mmウエーハで半導体製造に利用できる有効表面積は200mmウエーハの225%で,ウエーハ1枚あたりに製造されるチップ個数は240%に増加する。

 さらに,300mmウエーハ技術は,環境の面でもメリットが大きいという。「チップ1個を製造する際の環境に与える影響を200mmウエーハと比べると,揮発性有機化合物の排出量は48%減,純水の使用量は42%減,電力の使用量は約40%減という効果がある」(Intel社)

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