米Intelはわずか1平方ミクロンの「世界で最も小さい」(Intel社)のSRAMメモリ・セルを開発したと米国時間3月12日に発表した。

 このメモリ・セルは,Intel社が次世代の90ナノメートル(nm)半導体技術で製造するSRAMデバイスの一部として開発したもの。同社は,このメモリ・セルを用いた半導体製品の量産を2003年と見込んでいる。

 Intel社が製造したSRAMチップは52Mビット。3億3000万個のトランジスタを1チップに集積し,サイズは109平方ミリメートルで「10セント硬貨より小さい」(Intel社)。オレゴン州ヒルズボロにある300mmウエーハ開発ファブ「D1C」で製造し,193nmおよび248nmのリソグラフィ・ツールを使用した。

 「小型メモリ・セルは,コストをかけずにマイクロプロセサの性能向上を実現できる。キャッシュ・メモリをオンチップにさらに追加することで,全体的なロジック密度を引き上げることが可能」(Intel社)

 ちなみにIntel社は2年ごとに新たな製造技術を導入しているが,「90nm半導体技術も順調にこのペースをたどっている」(Intel社)という。同社は90nm半導体技術を使って,プロセサ,チップセット,通信向けなどさまざまな製品を製造する計画である。90nm半導体技術は300mmウエーハにのみ使用する。

◎関連記事
米インテルが2億5000万ドルで研究施設「RP1」を開設,300mmウエーハを研究
米インテル,「0.13μm技術と300mmウエーハ使うチップの製造に成功」と発表
米IBM,次世代LSI製造技術の開発コンソーシアム「EUV LLC」に参加
ムーアの法則はあと10年は大丈夫,米インテルが微細プロセス向け基盤技術を開発
米インテルが0.03μmのCMOSトランジスタを開発,5~10年で10GHzのMPU
「次世代LSI製造装置のプロトタイプ完成」と米インテル,10GHzのMPUに道
IBMが高速SOIプロセスの量産技術を確立,性能が35%増,消費電力は1/3
IBM,マイクロプロセサを30%高速化できる半導体技術を開発

[発表資料へ]